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総則

最判昭和57.06.08(昭和56年(オ)988号)

はじめに 「第三者」(§94II)は、当事者以外の者であるのは当然だが、それ以外に講学上虚偽表示に基づき「新たな、独立した、法律上」の利害関係を有するに至った第三者に限定するのが、通説といえようか。「新たな」については、虚偽表示の前後を考察...
家族法

最判昭和44.12.18(昭和43年(オ)971号)

はじめに 法定代理権は§§824、859 I等の規定により発生する代理権である。§761は柱書きに「日常家事に関する債務の連帯責任」とあって、「代理権」について言及ないが、これも一種の法定代理権として「日常家事代理権」と呼ばれている。一方配...
総則

最判昭和29.08.20(昭和26年(オ)107号)

はじめに 94 IIの類推適用は、「第三者保護法理」として教科書等で喧伝されるところである。しかし一体、類推適用とは何なのか、また同条の直接適用とどう違うのか、という点について明確に答えられるだろうか?単なるバランス論(「比較考量論」)なの...
総則

最判判昭和62.07.07(昭和60年(オ)第289号)

はじめに 代理関係において、相手方が代理人に履行請求してきた場合、代理人は有権代理の成立を根拠に、請求を拒絶できるのは当然である(§99)。本人へ請求すべきであるからである。 表見代理は、代理人の意思表示と顕名があっても、代理権がない場合...
担保物権法

最判平成10.01.30(平成9年(オ)第419号)

はじめに 抵当権の目的物である建物等が賃貸されたことによる賃料債権が物上代位されることは、最判平成元.10.27でも認められたところである。ところで物上代位の対象である賃料債権が譲渡された場合、物上代位は可能だろうか? つまり債権譲渡は「払...
担保物権法

最判平成元.10.27(昭和60年(オ)1270号)

はじめに 担保物権は、担保目的物の交換価値を把握し、その物の処分権能を有する権利である。そして担保目的物が何らかの価値代替物へ変じた場合、その価値代替物へも追及できること「が物上代位」として知られている。物上代位が認められるのは、先取特権(...
総則

最判平成11.02.23(平成7年(オ)第1747号)

はじめに 任意法規と強行法規についての判例である。物権法定主義に立脚した物権法規定が強行法規であるのに対して、契約自由の原則に基づく債権法規定は任意法規であると一般的に言われる。今回問題となる組合に関する債権法規定は、どちらであろう...
基礎編

基礎理論(その9)判例解析の手順

 判例解析を次の手順で行うことにする。 (1) 判例の特定  判例の特定は、裁判所の裁判、裁判日及び事件番号でなされる 1) 裁判所の裁判と事件番号 「最高裁……第三小法廷判決」を「最(3)判……」と略して記入する...
基礎編

基礎理論(その8)--判例解析で求められるもの

 法律問題は、法を事実に適用することによって解決する。この場合法律条文がある場合は、法律条文に従って、その要件に個別の事実が充足されるか、包摂されるかどうかを検討し、それが認められる場合には、その条文の効果を決定していけばよい。したがって...
基礎編

基礎理論(その7)--条文適用と法的対話性

条文を適用する場合、相手方がいることが一般的である。原告Xに法的請求する言い分があるとしても、請求される被告Yにもそれなりの言い分がある。 否認・ 不知  まず、Yの不法行為自体が成立した事実はないとして、Xが主張する事実を...